ご挨拶
こんにちは、こんばんは、ちまです。
私はペルソナというゲームが好きなのですが、去年から25thアニバーサリープロジェクトが開催しており、色々な所でコラボが開催されております。
先月までは極楽湯というスーパー銭湯でのコラボが開催されており、私も行ってきました!私は公衆浴場というものがあまり好きではないので行くのは勇気がいりましたが、行ってみるとお風呂は広いし、くつろげる場所もあり、ゆっくりリラックスして過ごすことができました。コラボ目的で行きましたが、スーパー銭湯の良さを知ることができてコラボに感謝ですw
今日お話しするのは、瀧羽 麻子さんの「虹にすわる」です。
あらすじ
徳井律は、大学の木工授業で1学年下の魚住光と出会います。椅子が好きでデザインを得意とする光は、優れた技術を持つ律に「いつか二人で椅子を作ろう」と夢を語ります。けれども卒業後二人は別々の道を歩みます。
10年後、地元に戻り祖父と修理屋をしている律の元に、有名工房を飛び出した光が転がり込んできます。
光は学生時代の夢が諦め切れず、律に一緒に椅子を作ろうと持ちかけます。お互いの能力や存在を必要とする二人の椅子作りが始まります。
夢を追いかける二人の物語です。
ひとり言
瀧羽 麻子さんの「虹にすわる」を読みました。
徳井律は、10年前、大学の選択科目の木工の授業で1学年下の魚住光と出会いました。律の木工技術に一目置く光は律に「いつか二人で椅子工房をやろう」と夢を語っていましたが、卒業後、建築学部だった律は住宅メーカーに、造形学部だった光は有名家具工房に就職し、二人は別々の道を歩み始めます。
その後律は会社を辞め、年老いた祖父のため地元に帰って祖父の営む修理屋を手伝っています。律の両親は律が1歳の時、家族3人が乗る車に脇見運転のトラックが突っ込み亡くなり、後部座席のチャイルドシートに座っていた律だけが助かりました。
ある日突然、祖父と二人暮らしをする律の家に、親方と衝突し家具工房を飛び出した光が訪れ、二人は10年ぶりに再会します。
光は律に、ここにおいて欲しいと頼みます。最初は渋っていた律ですが、光のやつれた表情を見抜いた祖父の一言で光は律の家で暮らすことになります。
椅子が好きでたまらない光は、祖父の許可を得て、物置を片付け椅子工房を立ち上げる準備を始めます。元々仏壇を作っていた祖父の物置には椅子を作るために必要な工具も多くありました。
軽く「一緒に椅子を作ろう」と言う光に、慎重な律は「そう簡単に上手くいくはずがない」と躊躇します。けれども今の仕事に物足りなさを感じていた律は、光の熱意に引っ張られるかたちで椅子の製作に関わっていきます。光がデザインした椅子を手先の器用な律が作ります。お互いの得意分野を活かしながらの製作です。律も徐々に椅子の製作にやりがいを見い出していきます。
律と祖父は、幼馴染みの菜摘の両親が営んでいる「いしやま食堂」に毎日のように食事に行っています。菜摘は両親の仕事を手伝っています。菜摘は律にほのかな想いを抱いていますが、想いを告げることなく二人の椅子作りを応援します。
光は親方の娘の胡桃と付き合っていましたが、別れも告げないまま去ってしまいます。ドール作家として売れっ子の胡桃は、光を連れ戻そうと光の元を訪れますが、光の椅子の製作にかける情熱を知り、近くのホテルで暮らし始めます。椅子の製作と違い、恋愛には不器用な二人のようです。
二人が始めた椅子工房が少しずつ軌道に乗り始めた矢先、二人の作品を見た著名な建築家からの誘いがあります。それは腕の良い職人に向けられたもので、建築家が必要としたのは、光のデザインではなく、律の技術でした。デザインに自信を持っていた光は、尊敬する建築家の選択に酷いショックを受けます。誘いを受けた律も悩みます。苦しみ悩んだ末律が出した結論は、今まで通り光と一緒に、使ってくれる人に喜んでもらえる椅子を作ることでした。
二人で椅子を作ることのやりがいに気づき、お互いの能力や存在を求めた上での選択だと思いました。そして何よりも、自分の好きなことを仕事に出来る充実感を考えた上での選択だと思いました。
光は律に、雪が雨に変わって雨が止んだ後、川をまたぐ感じで虹が出たと言い、子供の頃虹の上に座って見たかったと言います。それを聞いた律は、七色のアーチのてっぺんに座って両足をぶらぶらさせている光の姿が目に浮かびます。そして光に、光と一緒に椅子を作るのが楽しいから、誘いを断ることにしたと告げます。
再び二人の椅子作りの闘いが始まります。人に喜んでもらえる椅子を作ることを選んだ二人に、結果はどうであれ後悔はないと思います。
好きなことを仕事にして、目標を達成した時に二人で並んで虹に座って見る世界は、また新たな目標を目指して、きっと言葉では表せないほど美しいものでしょう。二人にその世界を見ることができる日が、早く訪れるといいなと思いました。
読み終えた後、忘れかけていた子供の頃の夢を思い出しました。
今日が幸せな一日でありますように。