ご挨拶
こんにちは、こんばんは、ちまです。
最近、私が学生の頃に見ていたアニメなどのグッズがガチャガチャになって販売しているのをよく見かけます。
見つけるとついつい回してみたくなってしまいます。
試しに1回回すと出来の良さにコンプしたくなってしましました(笑)
今日お話しするのは、原田 マハさんの「永遠を探しに」です。
あらすじ
16歳の高校生の梶ヶ谷 和音(かじがや わおん)は、世界的な指揮者の父と二人暮らしです。
母親は和音が10歳の時、和音を置いて突然家を出て行きました。
父が海外赴任となり一人日本に残った和音の家に、父の再婚相手だという型破りな音楽ライターの真弓がやって来ます。
かつてチェリストだった真弓には、母に関係する秘めた過去がありました。
母と娘の葛藤と和解、母と真弓の信頼関係、和音と同級生たちの友情、そしてチェロ。
音楽を通して描かれた感動の物語です。
ひとり言
原田 マハさんの「永遠を探しに」を読みました。16歳の高校生、梶ヶ谷 和音(かじがや わおん)は、世界的な指揮者の父と二人暮らしです。
チェリストだった母・時依(ときえ)は、和音が10歳の頃、和音を置いて突然家を出ました。和音は幼い頃からチェロを習っていましたが、10歳でチェロを諦め、普通高校に通っています。
家の事は家政婦が全てやってくれ、何不自由ない暮らしをしていますが、仕事で不在がちな父とはあまり上手くいっていません。
そうした中、父がアメリカの楽団へ移籍することが決まります。和音は、父と渡米することを断り、一人日本に残ります。
そこへ突然、父の再婚相手だという音楽ライターの真弓が現れます。父から何も聞かされていなかった和音は戸惑いますが、一緒に暮らすことになります。
勝手に家政婦を解雇した真弓が、家事は自分のことしかしないと宣言したため、和音は慣れない家事に追われます。
そうした生活の中、仲の良い同級生の池山文斗(いけやまあやと)と谷崎朱里(たにざきじゅり)の存在が、和音にとって救いになります。温かな家庭に育った二人を、和音は羨ましく思っていましたが、真弓と一緒に暮らすうち、和音の家も少しずつ家庭の温かみを感じるものになって行きます。型破りで明るい真弓は、和音の家に一筋の光を差し込みました。
そうした真弓の存在は、ピアノを諦め切れない文斗や朱里の人生にも影響を与えます。
真弓は、時依から和音が16歳になった時に渡して欲しいと託された手紙を、和音が16歳になった誕生日に渡します。
時依の手紙には驚くべき事実が記されていました。
時依が離婚して和音を置いて家を出た理由は、難病に罹ったためでした。チェロを弾くことも和音の世話も出来なくなり、世界的指揮者の夫の足手まといになりたくないという思いからの、本当に辛い決断でした。手紙の最後には、和音にチェロを続けて欲しいとの想いも綴られていました。
病のため和音を置いて一人家を出ざらる得なくなった辛い思いと、和音にチェリストとして自分の跡を継いで欲しいという切なる願いを感じました。
和音にとっても、母に裏切られたという思いから解放された瞬間だと思いました。
真弓は、時依が退団した跡を継いだチェリストでしたが、突発性難聴で片耳が聞こえなくなり、チェロを断念せざるを得なくなりました。時依と真弓は、チェロを通じて強い信頼関係で結ばれていました。真弓は本当は父の再婚相手ではなく、父が渡米して一人になる和音を時依の代わりに母親として見守るため、奏一郎の再婚相手として和音と暮らすための嘘でした。
真弓は和音に、入院している時依の病状はかなり進んでいるので、和音の弾くチェロを時依に聴かせて欲しいと頼みます。
再びチェロを手にした和音は、ピアノに本気で取り組む文斗と練習を重ね、桜の季節、母・時依の入院する病院でコンサートを開きます。寝たきりで意識のない時枝は、和音の奏でるチェロを聴いて、涙をこぼしました。和音の心に響く演奏は、母に届きました。
コンサートから一カ月後、時依は安らかに眠るように息を引き取ります。和音の奏でる「アリア」のチェロの音色が母に届いて、本当に良かったと思いました。
真弓は両耳の聴力がなくなりますが、音楽ライターとして活動し、和音達とはメールで会話をし、その後は手話で会話をするようになります。
文斗と朱里は、自分の目指す道を見つけ、目標に向かって走り出します。
そして和音は渡米し、父の元で再度チェロを学ぶことを決意します。
「とわ」は、母と暮らしていた時に飼っていたカナリアに、時依 の「と」と和音の「わ」を取って和音が付けた名前です。カナリアの「とわ」は、当時精神的に不安定だった母が逃がしてしまいましたが、その後、チェロは途切れることなく和音に受け継がれました。探していた「とわ」は見つかりました。
和音を取り囲む人々が、それぞれに悩みを抱えながらも思いやりがあり優しくて、読みながら温かい気持ちになりました。
読み終えた後、静かな幸せを感じる一冊でした。
今日が幸せな一日でありますように。