【感想】ヘミングウェイ「老人と海」【あらすじ付き】

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ひとり言
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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
桜が咲く季節になりましたね。
今日お話しするのは、ヘミングウェイさんの「老人と海」です。

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あらすじ

さあ、殺せ、どっちがどっちを殺そうとかまうこたない。
来る日も来る日も一人小舟に乗り、出漁するキューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、たった一人で出漁する。
残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。
3日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく……。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。

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ひとり言

ヘミングウェイさんの「老人と海」を読みました。
この小説の根底にあるものは、サンチャゴ老人とマノーリン少年との清々しい師弟関係にあると私は思います。
半世紀以上も前に書かれた小説ですが、パワハラ・モラハラ・セクハラなどという言葉が飛びかう、今の時代の失われつつある人間関係に、警鐘を鳴らしています。
サンチャゴ老人はもちろんですが、このマノーリン少年こそ、この小説における必要不可欠な登場人物ではないでしょうか。
マノーリン少年がこの小説の中に存在することにより、老人と巨大カジキマグロやサメとの3日間に渡る激闘がさらに生きてきます。
そして私達にとって本当に大切なものは何か、自分にとって悔いのない充実した人生を送る意味など多くのことを教えてくれるのです。
他の人々から今はもう終わった人として扱われる老人を家族に反対されながらも、少年はひたすらに慕い尊敬し続けます。
巨大カジキマグロとの激闘中には「人間は負けるようには造られていないんだ」と強気だったサンチャゴ。しかし死闘の末、骨だけになったカジキマグロと共に一人海から帰ってベッドに横たわった時には「また二人で海に出られるよね」というマノーリンの問いかけに「いや、おれには運がない、もう見放されたよ」という弱気の返事をします。
それに対してマノーリンは「そんなのどうでもいい、運は俺が持って行く」とひたすら師匠であるサンチャゴを慕い続けます。
サンチャゴとマノーリンが今私達が目先のものにとらわれて、つい見失いがちな物の大切さを教えてくれています。
私は最後のこの文章にとても癒されます。
「道の向こうの小屋では、老人が再び眠りに落ちていた。依然としてうつ伏せのままだ。
少年が傍らに座って、その寝姿をじっと見守っている。老人はライオンの夢を見ていた。」
今度私がサンチャゴ老人とマノーリン少年に会いたくなるのは、いつになるでしょうか…。

今日が幸せな一日でありますように。