【猫と読む】湊 かなえ「ブロードキャスト」【ちまのひとり言】

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雑記
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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
まだまだ暑い日が続いていますね。うちの猫たちは暑すぎて涼しい所を探して家中ウロウロしています(笑)
今日お話しするのは、湊かなえさんの「ブロードキャスト」です。

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あらすじ

中学時代、駅伝で全国大会を目指していた圭祐は、あと少しのところで出場を逃した。
陸上強豪校に進学を決めるも、交通事故に遭い競技人生を断念する。
希望を失った圭祐は、脚本家を目指す正也に誘われるがまま、放送部に入部。
次第に活動にのめり込んでいった圭祐は、全国高校放送コンテストを目指して、ラジオドラマ制作に挑戦するが……。

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ひとり言

湊かなえさんの「ブロードキャスト」を読みました。
町田圭祐は中学時代、陸上部に所属し、駅伝で全国大会を目指していましたが、3年生の最後の県大会で、僅差で出場を逃してしまいます。自分がもう少しタイムを縮めていればという悔しい思いと、ライバルでもある山岸良太が出場していればという悔しさもありました。
高校は、推薦入学した良太と同じ、陸上の名門校に入学しますが、合格発表の帰り道、交通事故に遭い、今、彼の足にはボルトが入っていて以前のように走ることが出来ません。
陸上部に入ることを諦めた圭祐は、同じ中学出身の宮本正也に誘われ、放送部に入部します。正也は、将来ラジオドラマ制作などに脚本家として携わりたいという夢があり、圭祐の声に魅力を感じていました。
テレビドラマ制作中、三年生の五人の女の先輩の緊張感のなさに、正也が思わずダメ出しをしてしまいます。その事がきっかけで、正也と良太は放送部に入部する女子生徒を探すよう言われ、二人は、断られるのを覚悟で、圭祐と同じクラスで、正也が前から声が良いと気づいていた、久米咲楽に声をかけます。咲楽は、アニメオタクで声優に憧れていて、元々放送部に入ろうと思っていたので、入部を承諾します。
咲楽は中学時代、いじめに遭っていました。そのことがきっかけで、スマホを持つのが怖くなってしまい、携帯電話を持っていません。
二年生の四人は高い目標を持っていて、緊張感のない三年生とはしっくりいっていません。
そうした中、正也は自分がラジオドラマの制作をしたいと志願します。そして、圭祐と咲楽、3年生も手伝いラジオドラマを制作することになります。
一年生の三人のやる気に影響を受け、放送部の人間関係も徐々に良くなっていきます。そして圭祐も、ラジオドラマの制作に魅力を感じ始めます。
正也は、全国高校放送コンテストに応募するために、咲楽のイジメ体験を元にした「ケンガイ」という脚本を書きます。主演は、圭祐です。
「ケンガイ」は、地区予選を突破し、全国大会に進みます。そうした中、圭祐は咲楽にイジメをする女子生徒と会い、咲楽にイジメをするのは止めるように言います。圭祐に後押ししてくれる同級生も現れ、そのことに咲楽は勇気づけられ、やっとスマホを持つことが出来るようになります。イジメをなくすためには、イジメを見て見ぬふりをしないで、本人に直接イジメを止めるよう指摘をしてくれる人の存在の必要性を強く感じました。
「ケンガイ」が全国での選考を受けている中、圭祐は足の再手術を受け、再び走ることが出来るようになります。
圭祐は、中学の陸上部の顧問の村岡先生に会い、先生が良太を駅伝出場選手から外した本当の理由を知ります。先生が良太の将来の選手生命を考えた上での深い配慮の結果でした。
「ケンガイ」は、決勝には進めませんでした。この結果に圭祐は、今までに経験したことのないほどの悔しさを味わい、それ以上に制作に全力を注いでいた正也のことを思い、正也に電話をかけます。そして二人は、思いのたけ悔しい気持ちを言い合います。高校の陸上部の顧問から、もう一度陸上をやらないかと言われ、迷いも生じていた圭祐ですが、このことをきっかけに、圭祐は放送部を続ける決心をします。圭祐は、新たな自分の夢を見つけたのだと思いました。
圭祐は良太に、駅伝大会で良太を外した先生の本当の気持ちを伝えます。
そして、良太の「お前はどうするの?」との問いかけに、迷うことなく「放送部を続ける」と答えます。良太は、放送部のユニフォームを着ている圭祐を見て、「答えは、予想できていた」と言います。二人はこれまでのわだかまりが吹っ切れ、お互いを認め合い、陸上のライバルから、別の夢を追う親友になれたのだと思いました。
正也のラジオドラマ制作に対する一生懸命さが圭祐に伝わり、その二人の想いがイジメに会っていた咲楽に勇気を与え、放送部の先輩にも影響を与えました。また、良太に村岡先生の良太に対する想いを伝えることにより、圭祐と良太が持っていたわだかまりも消えます。
圭祐は、「伝わっていない大切なことがありすぎる」と言います。家族や友人に限らず、人に大切なことを伝えることは、とても大事なことです。上手く伝わらないと、誤解を生じることもあり、難しさもありますが、大切なことが伝わらなければ前には進めません。大切なことを伝える努力から逃げてはいけないと思うとともに、自分の夢に向かって一途に頑張る姿は、言葉にしなくても人に伝わるのだと思いました。
圭祐と正也、咲楽の爽やかな関係がとても心地よく、清々しい余韻の残る物語でした。

今日が幸せな一日でありますように。

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