【小説】森沢 明夫「ロールキャベツ」【感想・あらすじ】

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ひとり言
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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
糖尿病で一時期寝たきりになってしまい足に力が入らなくなっていた我が家のちまですが、少しづつ以前のように歩けるようになりました。
まだ少し引きずるような感じもありますが、数か月前よりはしっかりと歩けているので少しホッとしています。
今日お話しするのは、森沢 明夫さんの「ロールキャベツ」です。

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あらすじ

大学ニ年生の夏川誠は、将来の夢も見つからず三年生からの就職活動に迷いを感じていました。
そうしたある日、「チェアリング」をしていた、同じ大学に通う玲奈と風香と出会います。チェアリングは、野外で椅子に座って、自然を感じながら気ままにくつろぐ身近なアウトドアです。
その後シェアハウスでルームシェアしている同じ大学の智也と京太郎も加わり、チェアリング部を結成して自然を楽しみながら、絆を深めていきます。
五人は自分の夢を持ちながらも、それぞれ生い立ちや人間関係で悩みを抱えていました。
五人は悩みながらも、それぞれの夢を応援し、未来に向けての一歩を踏み出します。
爽やかで心温まる青春物語です。

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ひとり言

森沢 明夫さんの「ロールキャベツ」を読みました。
大学ニ年生の夏川誠はある日、ふとしたきっかけで「チェアリング」をしていた同じ大学に通う玲奈と風香と知り合います。
チェアリングは、野外で椅子に座り、自分の好きな飲み物を飲みながら自然を楽しみ、お喋りしたり、読書をしたりして気ままに時を過ごす一番身近なアウトドアです。
その後、シェアハウスでルームシェアしている同じ大学の京太郎と智也も加わり、五人は大学でチェアリング部を結成します。自然に触れ、バーベキューやコーヒーを楽しみながら、彼らは徐々に絆を深めていきます。 ニックネームは、それぞれの得意なものからつけられ、誠はパソコンからマック、京太郎は美味しいコーヒーを淹れることからマスター、智也はトレーダーからミリオン、玲奈はパンクロックの歌手からパンコと呼ばれています。風香は料理が得意ですが、なぜかそのまま風香と呼ばれています。
大学三年生ともなれば多くの学生は、将来を見据えて就活を始めます。
パン子は歌手志望、風香の夢は農家レストランをすること、美味しいコーヒーを出すカフェを開きたいマスター、投資家志望のミリオン。それぞれが夢や希望を持って生きている中、マックは自分にはパソコン以外に得意なものがないと思い込み、将来の目標が見つからず、進路に悩んでいます。
マックの実家は両親が洋食屋かもめ亭を営んでいましたが、父が亡くなった後は、母と兄で店を守っていました。けれども兄が父と同じ病に倒れ早逝し、今は母が一人で切り盛りしています。病床の兄にカモメ亭の後を託され、その時は断り切れず了承したものの決心はつかず、後ろめたい思いを抱いています。
マックは自分だけが進路に悩んでいると思い込んでいましたが、他の四人も夢を持ちながら、それぞれに生い立ちや家族関係で深刻な悩みを抱えていました。
優しくてちょっと不器用に相手の痛みに寄り添おうとし、悩みもがきながらも自分の夢を実現しようとする五人の姿に、胸を打たれ引き込まれて読み進めました。
ミリオンのいつも一言足りない行動には苦笑しましたが、自分のことを真剣に考えてくれている人がいると実感することができることは、人生にとって本当に幸せなことだと思いました。
シェアハウスのオーナーの千鶴子おばあちゃんの、「いまのわたしは、過去から見たらいちばん人生経験豊富で、未来から見たらいちばん若々しい。だから、いまのわたしは人生で最強なのよ」「自分の人生の脚本は、自分で書き換える」という言葉や、パン子のおばあちゃんの「生まれ変わるなら生きてるうちにやでぇ」という言葉には深い意味が示唆されていて、自分の人生を改めて見直すきっかけになりました。
これらの言葉は、その後の五人を支える大切な言葉になっています。悩み、自分を見失ないそうになっている人に、是非知って元気になって欲しい言葉です。
人生の転機のスタート地点に立った彼らが、自分の人生の脚本をどう書き換えて行くのか、彼らの行先が気になります。
読み終えた後、彼らが舌鼓を打ったマックのお母さんの作る絶品のロールキャベツが食べたくなりました。包み込んでくれるような優しい味なのでしょうね。
どこまでも清々しく心が温かくなる物語です。
元気な時も悩み落ち込んでいる時も、いつも作者の作品に出て来る数々の言葉に勇気を貰っている私です。

今日が幸せな一日でありますように。