【オリジナル作品】ちま「コタツの外#5」【オトメニア】

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オリジナルのお話
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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
インフルエンザにかかってしまいました。熱が下がらず咳も出てなかなかツラいです。
去年の今頃はコロナにかかってしまい2年連続で自宅での年越しになりそうです。
今日お話しするのは、オトメニアチャンネルオリジナルのお話「コタツの外」です。

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コタツの外5

季節が巡りまた冬が来た。
居間の机は布団をかけられコタツとなった。
僕はやはりコタツが好きだと思った。毎年待ちわびた気持ちで迎えるコタツを堪能した。
思い出したようにヒーターに触れてみるが、やはりいつも通りだった。
ある日友達と公園の池が凍っているのを見付け、長時間外で遊んでいた。
全身が冷えて耳の感覚がなくなるまで遊んだ後に家に帰ってきた。
手洗いうがいを済ませコタツに入ると早く温まりたくてコタツの中に潜りこんだ。
ヒーターから響く微かな動作音をに耳を傾けている内に全身が暖かくなり、眠くなってきた頃に懐かしくも目が覚めるあの感覚があった。
上が、開いている。
目を閉じていても手で確認せずとも、直感的に分かるのだ。
1年ぶりだが2回目なので確信した。
あれほど確認したのに起こらなかったことがまた起きた。
恐怖心よりこの時を逃すまいという気持ちが勝っていた。
意を決して頭をヒーターに突っ込むと、想定していた通りのあの日と変わらない半透明なガラスで覆われた空間があった。
見回してもやはりガラスが曇っていて何も見えない。
そして自分の手に目をやると明らかに他人の大人のものだということが分かった。
今回はもう少し踏み込んで調べようとしているとスピーカーからあの声が聞こえた。
「良い夢は見られましたか?」
僕はすかさず質問を質問で返した。
「ここはどこですか?」
すると同時に僕はパニックになりかけた。
まず声が僕の声じゃなかった。
あまりの低い声に上手く声が出せずにむせそうになった。
そんなことよりも、直後から僕は凄い勢いで多くのことを思い出していくような感覚に襲われ、頭が割れそうだった。
直後、僕は全てを理解していた。