【小説】 江國 香織「ひとりでカラカサさしてゆく」【感想・あらすじ】

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オリジナルのお話
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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
先日、旦那のお母さんにレシピを教えてもらって広島風お好み焼きを作りました!
そもそも私は関東人で田舎の出身なので小さい頃からお好み焼きを食べたことがあまりありませんでした。最初に食べたのは中学か高校の頃に友人と一緒にいったチェーン店のお好み焼きでしょうか・・・?実家では作れる人はいませんでしたし、それぐらい食べる機会のない食べ物でした。教えてもらった通りに作り完成したお好み焼きがこちら!なかなか上手にできたと思います!ただお義母さんの味にはまだまだ及ばないようなので、今度帰省した時に一緒に作ってみる事になりました♪今から作るのが楽しみです!
今日お話しするのは、江國香織さんの「ひとりでカラカサさしてゆく」です。

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あらすじ

大晦日の夜、八十歳代の男女三人が、ホテルで食事をしながら過去を懐かしみ、その夜一緒に猟銃で命を絶ちます。
死の理由を理解出来ない残された身内や親友、部下などの日常を通して、三人の人生が徐々に浮き彫りになっていきます。
なぜ三人は自ら命を絶ったのか。これからの人生と人生の終焉について考えさせられる物語です。

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ひとり言

江國 香織さんの「ひとりでカラカサさしてゆく」を読みました。
物語は、大晦日、八十歳代の三人の男女がホテルで食事をしながら過去を懐かしみ、語らう場面から始まります。
八十六歳の篠田完爾、八十歳の重森勉、八十二歳の宮下知佐子の三人です。しかし三人はその夜、「あの父親らしいと思ってもらえることを、どこかで期待して」「我ながらおもしろい人生だった」「もう十分生きました」と、客室で猟銃自殺をします。
三人は小さな出版社の編集員として出会い、気の合った三人は、その後転職したり会社が倒産した後も付き合いを続けていました。幼い頃に戦争を体験し、その後の高度経済成長期を経て、バブル期やその崩壊も体験した世代の三人です。
完爾は、癌を患っていましたが、十年前に秋田に移住して気儘な一人暮らしをしていました。息子と娘そして可愛いがっていた孫もいました。
勉は出版社勤務から輸入会社を起こし、その会社が倒産後はクラブの支配人を経て、最後の職業は外国人に日本語を教える教師でした。身寄りはありません。
知佐子は、劇作家だった夫との間に産まれた朗子という娘と、二人の孫がいます。知佐子は、子供達を置いて家を出てその後も何人もの男性と付き合う娘のことを生涯許せず、家族とは疎遠になっています。
父の完爾と意志の疎通が上手く出来なかった息子や情緒不安定な娘、祖父の完爾のことが好きだった孫、知佐子の娘や孫、勉が起こした会社での部下、出版社にいた時に担当した美術評論家の家族、日本語学校の教師をしていた頃の中国人の教え子などの日常が描かれ、徐々に三人の人生が浮き彫りになっていきます。
三人の死は、そのことをきっかけに連絡を絶っていた家族がまた縁を取り戻したり、残された人の間で新しい関係が生まれたり、それぞれの人生に影響を及ぼしていきます。
三人が自殺に至った本意は、最後まで明確には描写されていません。本人以外の人が自ら命を絶つに至った理由や真相を知ることは難しいことです。それでも残された者がこれから自分が生きていくために、憶測でも良いから真相を知りたいと思うのは無理のないことだと思いました。
私は、祖父に可愛いがられ、完爾のことが好きだった快活な葉月の存在が気になりながら、読み進めました。
葉月は、アンデルセンを研究するためにデンマークに留学しています。彼女は、祖父が自死を選んだ動機を知りたいと行動を起こします。残された者のさまざまな日常が描かれる中、彼女の積極的な行動力が、物語を引っ張っていっているように思いました。また物語の中で『みにくいアヒルの子』や『人魚姫』などアンデルセンの作品名が出てきて、懐かしく感じました。
猟銃自殺という悲惨な人生の終わり方にも関わらず、苦しみは微塵も感じられず、何か安らかな死というものを感じる描写でした。三人の取った行動には蟠りも感じましたが、一つの人生の終わり方かなとも思いました。
自らの人生に終止符を打った八十歳代の三人の男女の人生。自殺の理由がわからず戸惑う残された人たちのこれからの人生。誰もが生まれる時も死ぬ時もひとりです。だからこそ人は愛を求め、それを糧に生きて行くのではないかと思いました。そして、結論が出ないのがこの物語の結論だったのではないかと思いました。
出来れば人に迷惑をかけないで人生を全うしたいと感じ、読後、自分の人生と人それぞれの人生というものについて考えた物語でした。

今日が幸せな一日でありますように。

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