【猫と読む】坂木 司「夜の光」【ちまのひとり言】

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雑記
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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
暑い日が続きますね。水分補給はこまめにしましょう。
今日お話しするのは、坂木司さんの「夜の光」です。

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あらすじ

約束は交わさない。別れは引きずらない。大事なのは、自分に課せられた任務を遂行すること。正体を隠しながら送る生活の中、出会う特別な仲間たち。天文部での活動を隠れ蓑に、今日も彼らは夜を駆ける。ゆるい部活、ぬるい顧問、クールな関係。ただ、手に持ったコーヒーだけが熱く、濃い。未来というミッションを胸に、戦場で戦うスパイたちの活躍を描く。

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ひとり言

坂木司さんの「夜の光」を読みました。
主人公の四人は、天文部に所属する高校三年生です。天文部の、月に一度の活動に参加すれば良いという規則とやる気のない顧問がそれぞれの条件に合い入部した、クラスもグループも別々の四人です。
四人はそれぞれに、家族の問題や生き辛さを抱え、お互いのことに関心がありませんが、何故か天体望遠鏡で夜空を観測する観測会だけは全員揃って参加していました。
先輩が卒業し、四人だけの定例会を始めて開いた夜、偶然、駅ビルの中で四人は再会します。天体観測をはじめ、四人は何故か夜にばかり会うため、日中は四人の関係を秘密にして、夜はスパイと称して活動し、仲間としてミッションを遂行することで話が決まります。そして、スパイならコードネームが必要とそれぞれにコードネームをつけます。
部長から派生した「ブッチ」、見た目がギャルっぽいので「ギィ」、自称アーティストくさい芸術家から「ゲージ」、ぱっと見はお嬢様っぽいから「ジョー」と、コードネームが決まり、彼らのミッションが始まります。
この物語は、四人それぞれが自分の抱えている問題を語り、その時々に起きたミステリーの謎を解く4編と卒業一年後の四人の姿が描かれた1編の5編で構成されています。
「ジョー」の両親は、結婚することが女性の幸せで、女性に高学歴は必要ないという古典的な考えを持っています。そのため、勉強の好きなジョーは、自力で勉強し東京の大学へ行くことを考えています。家族から独立するため、昼間は仮面を被り、夜はスパイとして、その時々に起きたミステリーの謎解きをしながら、仲間と活動しています
「ゲージ」は、子供の頃から、落ち着きのない子供でした。子供の頃は、それでも毎日楽しく過ごせていましたが、成長するに従って周りの評価が気になり出します。そこでゲージは、子供のように無邪気で楽しそうなのに大人である、というキャラクターを作りだし、「ちょっと変わってて面白い奴」を演じています。そうした仮面を被った昼間の活動に、夜仲間と会うというミッションが加わりました。
「ギィ」の父親は、不景気のためリストラにあいアル中になり、家族に暴力を振るうようになりました。母親はそんな父親を怖がって、止めようともしません。家を出るため、彼女はギャル風のファッションに身を包み、昼間は仮面を被って、夜はアルバイトをしながら着々と自活への準備を進めています。彼女のミッションは、家を出ることです。
「ブッチ」は、年功序列が当たり前で、父親や母親を差し置いて力を振るい、ブッチにも辛く当たる祖父のいる農家で育ちました。祖父に苺の栽培を任されるうち、彼は養蜂家という仕事を知ります。彼は自由を手に入れたいと切望し、彼のミッションが始まります。
そんな彼らがリラックス出来て、安心できる場所が天文部でした。お互いに適当な距離感を持って付き合うことの出来る仲間のいる場所です。
そして彼らは、それぞれのミッションに挑んで行きます。
この物語は、1編ごとに日常のミステリーを四人で謎解いていく話が出てきます。四人の関係は、一緒に謎解きをすることによって、徐々に深まっていったように思いました。私も四人とともに謎解きに挑むことで、楽しく読み進めることが出来ました。
最後の1編は、それぞれの形でスパイ活動の任務を終えた四人の1年後の姿が描かれています。
ジョーは、推薦で家から離れた大学に入学し一人暮らしをしていますが、両親と距離を取るというミッションは完全には達成出来ていません。ゲージは第三志望の地元の大学で、相変わらずのキャラクターを演じています。ギィは、卒業と共に家から離れた街で一人暮らしを始め、飲食店で働きながら製菓学校に通う費用を貯めています。ブッチは、卒業を待って家を出ますが、家を持たず、花の開花を追って移動しながら蜜を集める転地養蜂を仕事にしています。
それぞれ、しっかりとした目標を持って歩んでいます。
ブッチからメンバーに「観測会をしようと思う」とのメールが届きます。四人は集合し、高校時代と変わらない雰囲気で観測会をし、一夜を過ごします。そしてその後は、「約束は交わさない。別れは引きずらない」というスパイ仲間として別れます。
心地よい距離感を保ちながら、いざという時は助け合うことのできる信頼できる仲間。彼らには、目に見えない厚い絆がありました。
仲間が困っていることを聞きつけたら、そこからまた彼らの新たなミッションが始まるのでしょう。
見せかけだけの多くの友人よりも、本当に信頼できる仲間。そんな仲間と巡り会うことの出来た彼らは幸せだと感じ、羨ましくもあり、いろいろなことに迷いながら試行錯誤していた高校時代を思い出した一冊でした。

今日が幸せな一日でありますように。

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