【ちまのひとり言】阿川佐和子「ことことこーこ」

スポンサーリンク
雑記
スポンサーリンク

ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
暖かい日が続いたかと思えば寒い日が続いたりして服装に悩んでしまいますよね。
今日お話しするのは、阿川佐和子 さんの「ことことこーこ」です。

スポンサーリンク

あらすじ

結婚十年で離婚し、老父母の暮らす実家に戻った香子。フードコーディネーターとしての新たな人生を歩み出した矢先、母・琴子に認知症の症状が現れはじめる。弟夫婦は頼りにならず、仕事と介護を両立させようと覚悟を決めるが……。
年とともに変わりゆく親子の関係を、ユーモアと人情たっぷりに描き出す!
仕事と介護に翻弄されるアラフォー長女の奮闘記!

スポンサーリンク

ひとり言

阿川佐和子さんの「ことことこーこ」を読みました。
38歳の時、香子は10年の結婚生活後、離婚し、父母の暮らす実家に戻ります。
香子はフードコーディネーターとして新たな一歩を踏み出すのですが、そんな矢先、母・琴子に認知症の症状が現れ始めるのです。
香子は段々と記憶が曖昧になっていく母の姿に戸惑います。幼い時から見てきた母とは違う母の姿は見たくないし信じたくない、という香子の気持ちはよくわかります。けれども、現実から目を逸らすことは出来ません。香子もそれはわかっているのです。
そうした中、父が心臓発作のため急死し、香子は母の琴子と二人暮らしになります。
そして香子は、フードコーディネーターとしての仕事と母の介護の両立を目指すのです。
フードコーディネーターとして働く香子は、料理好きな琴子が料理ノートをつけていたことを思い出し、そのノートを探そうとします。
その時、何枚もの鉛筆書きの小さなメモ用紙を見つけるのです。
「真珠のネックレス。どうしても見つからない。お父さんに買ってもらったのに。情けない。もう私ダメだ」
「覚えておくこと!孫の名前、賢太。嫁の名前、知加。」
「なんでもかんでも忘れていく。なんでこんなに忘れるのでしょう。神様、助けて」
母は自分自身が忘れていく事を認識していたのです。
そうしたことを書き留めているメモを見つけた香子は、母が苦しんでいたことを知り、「もう責めないよ、母さん。忘れてもいいからね。怖くなんかないからね。」と心の中で母に話しかけるのです。
けれども頭の中では理解することが出来ても、現実は甘くありません。香子は、母が惚けていくのが怖くて、現実を認めたくなくて、自分一人で何とかしようと頑張り過ぎた結果、つい琴子に対してきつい言い方や振る舞いをしてしまいます。そしてその都度、落ち込むのです。一人の力には、限界があります。
こうした状況の中で、香子は、フードコーディネーターの仕事を一緒にしている麻有と小学一年生になる息子の武尊の存在に助けられます。二人は、本当に自然な感じで香子と琴子の生活の中に存在するのです。
介護する者にとっても介護される者にとっても、こうした人達が存在することは、本当に強い支えになるのだと思いました。
年月と共に、親子の関係は変わっていきます。でも、記憶が曖昧になっていっても、親はずっと子供のことが心配なのです。立ち場が変わっても、親から見れば、子供はいつまでも子供であり、子供から見れば、親はいつまでも親であるのだと思いました。
自分のために頑張り過ぎる香子のことを心配した琴子は、老人ホームに入る決意をします。
記憶は曖昧になっていっても、子供のことを心配する母の成せる技だと感心しました。
この琴子の決断に、暗さは感じられません。天真爛漫な琴子の性格のせいでしょうか。
以前『ザ・ノンフィクション』というテレビ番組番組で「ぼけますから、よろしくお願いします。」という番組を見ました。
93歳の夫が、認知症を発症する85歳の妻が91歳で亡くなるまでの6年間に渡る介護の様子を撮影した作品です。見ていてなぜか涙が止まりませんでした。
介護には、親子・夫婦・兄弟など、いろいろな立場での介護があると思います。
特に、認知症の介護の現実は生易しいものではないと思います。
でも、そうした現実の根底には、介護される側も、する側も、互いに相手のことを思いやる優しさが不可欠なのです。
『認知症』・『介護』・『仕事の両立』など重いテーマを含んだ小説ですが、読んだ後、優しい気持ちになれる小説でした。

今日が幸せな一日でありますように。

【ちまのひとり言】阿川佐和子「ことことこーこ」

コメント

タイトルとURLをコピーしました