【猫と読む】三浦 しをん「風が強く吹いている」【ちまのひとり言】

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雑記
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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
もうすっかり秋ですね。私は四季の中で一番秋が好きです。
今日お話しするのは、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」です。

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あらすじ

箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」―。

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ひとり言

三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を読みました。
蔵原走は、高校生の頃、天才と言われていたランナーでした。
けれども彼は、陸上部の監督と衝突し、陸上部を退部してしまいます。その後、東京の大学『寛政大学』へ入学したものの、仕送りのお金を麻雀で使い果たし、大学の体育館の外階段下で生活しています。
清瀬灰二は、陸上選手として致命的な故障の為、第一線のランナーとしての道を諦めています。
そんな二人の出会いは、カケルが空腹でパンを万引きして逃げている最中の事でした。カケルの走りに魅せられたハイジは、自転車で追いかけ、カケルに言います。「走るの好きか?」と。カケルはその言葉に心が揺り動かされ、ハイジが寮監をやっている『竹青荘』という 学生寮に住むことになります。
その寮には、個性豊かな八人の学生が住んでいました。よくここまで違った個性の人々が一緒に暮らせるのかと思うほど、個性溢れる愛すべき八人です。
ハイジは、この竹青荘に『十人』が揃うのをずっと待っていました。それは「十人の力を合わせて、箱根駅伝を目指す」ためでした。
学生長距離界最大の試合といわれる『箱根駅伝』に、二人の天才ランナーと学生寮で共同生活を送る素人の八人で挑もうというのです。誰がどう見ても、無謀な挑戦です。箱根駅伝どころか、そもそも八人が納得して練習自体が成り立つのかと思いましたが、意外にも八人は箱根駅伝を目指して、文句を言いながらも、それぞれ真剣に練習に取り組みます。そして彼らは、辛くてもうやめたいと思う時はあっても、なぜか走り続けます。八人がハイジのことを信頼しているからこその行動だと思いました。
そして、箱根駅伝に出場するための必須事項である「記録会」とそれに続く「予餞会」も十人が力を合わせてクリアして、箱根駅伝に出場する権利を勝ち取ります。その過程で、彼らの箱根駅伝に対する本気の熱い思いを強く感じました。
そうした中で、駅伝を目指すまでは、走ることは一人でするものと思ったいたカケルは他のメンバーに対して苛立ちを感じます。そうしたカケルにハイジは言います。「長距離選手に対する、一番の褒め言葉がなにかわかるか。強いだよ。長距離選手に必要なのは、本当の意味での強さだ。俺たちは、『強い』と称されることを誉れにして、毎日走るんだ」と。
このハイジの言葉に、速さに囚われていたカケルは、「走る」とは何かを真剣に考えるようになります。
一月二日、三日の二日に渡る箱根駅伝の十人の走りの描写は、言葉に出来ないくらい感動的です。
「王子」「ムサ」「ジョータ」「ジョージ」「神童」「ユキ」「ニコチャン」「キング」「カケル」「ハイジ」と襷は繋がります。無謀とも思える彼らの挑戦でしたが、最終順位は十位で来年のシード権を勝ち取る成績でした。十人は、夢を夢に終わらせなかったのです。
ここに至る過程は、生半可なものではありませんでしたが、彼らはそれぞれの苦悩を乗り越えました。一人ではなく、襷を繋げる十人の仲間がいたからこそ乗り越えることが出来たのです。そして彼らが、ハイジが言う長距離選手に必要な『強さ』を身につけた結果だと思いました。
私は一年の初めに、選ばれた選手たちが、切磋琢磨して死にものぐるいで走る姿を見ると、何か清々しいエネルギーを分けて貰えるような気がして、毎年必ず箱根駅伝をテレビ観戦しています。
私は駅伝の専門的なことはわかりませんが、詳しい人から見たらこうした展開はあり得ないことなのかもしれません。けれども、この物語を読んで駅伝の感動を知り、勇気をもらえた人も多いのではないでしょうか。私もその中の一人です。
『走るのは好きか?』・『強くなれ』ハイジのこの二つの言葉にこの物語のメッセージが全て集約されていると思いました。
今後、箱根駅伝を見る時、今までとはまた違った視点で選手たちが走る姿を見るような気がします。何かにひたむきに打ち込む姿に、清々しい感動を与えてもらえた一冊でした。

今日が幸せな一日でありますように。

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