【小説】三浦 しをん「エレジーは流れない」【感想・あらすじ】

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ご挨拶

こんにちは、こんばんは、ちまです。
最近、運動をしていなかったらすっかり体が硬くなってしまいました。以前はできた動きが出来なくなっていてショックを受けました。これからはこまめに運動しようと思います。
今日お話しするのは、三浦しをんさんの「エレジーは流れない」です。

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あらすじ

穂積怜は、県立餅湯高校に通う高校2年生です。怜には二人の母親がいます。
一人は土産物屋を営み一緒に暮らしている寿江で、もう一人は、東京で実業家として活躍している光岡伊都子です。
怜は月の内一週間、東京から餅湯に来る伊都子の豪邸で過ごしています。
複雑な家庭環境や将来の進路に悩みながらも、気の置けない同級生達と、日々過ごしていました。
そうした中,餅湯博物館から縄文土器が盗まれたり、突然自分にそっくりな父親が現れたりして物語は進みます。
高校生の青春が描かれた温かな余韻の残る物語です。

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ひとり言

三浦しをんさんの「エレジーは流れない」を読みました。
餅湯高校二年生の穂積 怜は土産物屋を営む30代半ばの母・寿絵と海辺の温泉町で暮らしています。
怜には、二人の母親がいます。寿絵ともう一人は、東京で実業家として活躍している50代の光岡伊都子です。
伊都子は月のうち一週間、餅湯の桜台を訪れ、伊都子の豪邸で怜と過ごしています。怜は、幼い時は家の前まで寿絵に連れられ、少し大きくなると一人で桜台に行っています。
伊都子の豪邸には30代の執事的な男性・武藤慎一がいて、豪邸の管理を任されています。怜は伊都子と慎一の関係がよくわからないながらも、一緒に家の手入れをしたり、食事の支度を手伝ったりして,滞在中は楽しく付き合っています。
怜は、自分には何故母親が二人いるのか、父親は誰なのかを疑問に思いながらも、二人の母に聞き辛いこともあって、流れに任せて過ごしています。
細かいことをあまり気にしない寿絵に似たのか、自分の出生についてあまり深刻には考えていないようです。読んでいる私の方が気になり、事情を知りたいと思いながら読み進めました。
怜は、二人の母親や気の置けない幼馴染み達、そしてプライバシーがないような近所付き合いの中で、将来の確固たる目標もないまま、のんびりと日々を過ごしていました。
けれども、大学進学や就職の選択を考える時期になると、自分を産んだ母親のことや学費のことで悩むようになります。
そうした中、博物館から縄文土器が盗まれ、級友達と自分達で犯人を捕まえようとしたり、突然怜の父親と思われる男性が現れたりして、少しミステリー要素も加わって、物語は進みます。
怜は自分にそっくりな男性が現れたことをきっかけに、伊都子に真相を聞く決心をします。
伊都子は怜に全てを話します。
怜は、伊都子の一回り年下の元夫の重吾と寿江が20歳の時に生まれた子どもでした。
伊都子は寿江の家に怒鳴りこむ気持ちで会いに行ったものの、妻がいると知らず重吾と付き合っていた寿江のことを良い子だなと思ったと言います。そして、一人でお腹の子どもを産んで育てるという寿江に対して、自分も一緒に育てると言い、重吾と離婚して、伊都子は仕事をセーブして幼い怜の子育てを手伝いました。
伊都子の手助けがあったからこそ、怜は幸せに育つことができ、父親のいない怜にとって伊都子は,父親の役割も果たしているのだと思いました。
訳ありの関係でありながら、その後の伊都子と寿江の程よい距離感を保った付き合い方が心地良く感じ、二人の相性の良さを感じました。
昔からの地元住民や怜の幼馴染は、そうした事情を知っていて、さりげない優しさで怜や寿江を守ろうとします。
地元の人の「迷惑なんてかけあえばいいってことだよ」という言葉を思い出し、昔ながらのちょっと煩わしい付き合いも良いもんだなと思いました。そして、普段は馬鹿なことを言い合っている幼馴染達のさりげない優しさも、青春を感じて爽やかです。
二人の母親の怜に対する深い愛情もいろいろな場面で感じられ、怜は複雑な生い立ちながらも、幸せな環境で育ったのだと思いました。
寿江や伊都子の潔さに比べ、怜の父親の重吾にはちょっとがっかりしました。そして、伊都子と慎一のよくわからない関係に、また過去の二の舞にならなければ良いなと思いながら読みました。
読後、怜と寿江、伊都子の少し不思議だけれど円満な親子関係の行く末や、怜や同級生達の希望に満ちた明るい未来を推察していました。
高校生の揺れ動く青春が描かれた、心が温かくなる余韻の残る物語です。

今日が幸せな一日でありますように。